犬は寒さに弱い!! ペットの「冷え」は、あらゆる病気の原因になっている (2019-09-27)


犬や猫を飼っている家庭では、朝晩、冷えるようになってくるこの季節、ペットが飼い主さんの布団に潜り込んだり、ファンヒーターの前を占領するようなことが増えてくるようです。毛皮で覆われているのに、本当に寒いの? 甘えているだけでは? などと、疑問に思う飼い主さんもいるのではないでしょうか。

特に犬は、童謡の歌詞でも「雪が大好き!」とうたわれていることもあり、寒さに強いと信じている飼い主さんも多いと思います。しかし、実は、家庭で飼われている多くの犬種は、寒さにめっぽう弱いのだそうです。

その真実を探るべく、「ペット鍼灸セラピー協会」認定のセラピストである中尾美季先生にお話を伺いました。

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体力的にみて、日本の冬を外で過ごせるのは、昔から寒い地方で外飼いされていた犬種に限ると考えるべきです。もともと日本で暮らしていた犬であれば、柴犬、秋田犬、北海道犬、甲斐犬・紀州犬・四国犬。海外から入ってきた犬種であれば、シベリアンハスキーやサモエドなどがそれに当たります。これらの犬種でも、幼犬の頃から家の中で育ててきた場合は、成長の途中で外飼いに変更するのは、犬のストレスになるので避けたほうが良いでしょう。

その他の犬種に関しては、寒さに弱いことが多いようです。飼い主さんの布団の中や、こたつに潜り込むというのは、温かくて気持ちが良いからです。その家のしつけ方針に沿っているのであれば、叱ってまで犬の行動を止める必要はありません。

私は犬や猫に鍼灸セラピーをするのが仕事なのですが、最近は、犬も猫も「冷え」ている子が多く驚きます。特にアレルギーを持っている子や、老齢期の犬や猫では、耳やお腹、肉球が冷たいと感じます。表面的な身体の冷たさは、必ずしも体温とは合致しませんが、体表の冷たい子は、たいていの場合、身体の深部が冷えていることが多いのです。こうした身体の「冷え」は、病気と密接な関係があります。

東洋医学では「五行」という気の考え方に基づいて、診断や治療が行われます。木・火・土・金・水という5つの気の性質が、お互いに影響を与えながらバランスをとることで、身体が整えられるというと考え方です。互いに助け合うことは「相生関係(そうせいかんけい)」、互いに抑制することは「相剋関係(そうこくかんけい)」と呼ばれ、体内の臓器にも当てはめることができます。

たとえば、「水」は「冷え」を表しますが、「冷え」が起きる「木」である肝や胆も同時に弱まります。また、「土」である胃や脾が弱まると、「水」も抑制されて「冷え」が強くなるのです。つまり、身体が冷えると、腎臓や膀胱が最初にダメージを受け、それに引っ張られるように、肝臓や胃腸にも悪影響が及ぶのです。犬や猫に多い、腎臓病や胃腸障害、尿石症や膀胱炎は、冷えが原因で起きていることが多いと考えると納得がいきますね。ケンネルコフなどの感染症予防にも、免疫力を上げる方法として「冷え」の改善をおすすめしています。

また、冷えは血のめぐりを滞らせる大きな原因になります。血液の流れが悪くなると、身体の末端に血液が届きにくくなり、犬や猫でも「冷え性」になってしまうのです。同時に、筋肉をこわばらせるので、犬や猫でも肩こりを起こしている子は意外に多く、老齢になると関節炎を起こすこともあります。

犬や猫にとって快適な、冬の部屋作りとして提案をするのであれば、ペット専用の温かい場所を作ってあげることです。専用の毛布や、ドーム型のベッドなど、自由に行き来できる場所に、身体を温めるグッズを用意してあげましょう。

洋服に関しては、猫は毛づくろいの邪魔になるので不要ですが、犬の場合は寒暖差を避けるためにも、嫌がらなければ外出時など積極的に活用して良いと考えます。また、洋服でなくても、お腹と腰を温められる腹巻タイプでも十分です。血管が締め付けられると「冷え」を起こす原因になってしまいますので、洋服なら少しゆとりのあるサイズを選びましょう。

また、冬の散歩はできるだけ温かい時間を選ぶのが望ましいです。ただし、寒いからと靴を履かせるのはどうでしょう…。肉球には感覚器官としての役割があり、暑さや寒さから身体を守ってくれます。また、土の上を歩くことで、体内にたまった余分な電磁波を体外に放出するという説もあります。ですから冬であっても、脚に疾患がなければ靴は履かせず、コンクリートより土の上を歩かせてあげてください。

入浴で身体を温めるのははどうですか? という質問をされる方が多いのですが、犬や猫が気持ち良さそうにするのであれば構いません。ただ、被毛がいつまでも濡れていると、体温を奪われてしまいますから、毛を素早く乾かす必要があります。どちらかというと、入浴よりは身体の深部を温められる方法が良いでしょう。

陶板浴は被毛を濡らさずに、深部まで温められるため、犬や猫を「冷え」から守るには大変有効な方法だと考えられます。1回に5〜10分程度、毎日でなくても継続することが大切です。1回の時間が長過ぎすぎると、温まりすぎてのぼせてしまいます。目安としては、耳が熱くなったら終了すると良いでしょう。陶板浴後は水分補給を忘れずに。お水をたっぷり与えてあげてください。

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中尾美季(なかお みき)先生

ペット鍼灸セラピー協会 認定セラピスト/JPLA小動物看護師・介護士

ペット鍼灸セラピーハウス「茶居day」主催。刺さない鍼やお灸で、ペットの身体のバランスを整え、基礎代謝や自然治癒力や免疫力をあげるサポートを行っています。

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中尾先生ありがとうございました。犬と猫に飼い主さんが自分でできる、お灸とマッサージについても教えていただく予定です。