がんと闘う家族のメルマガ 言いづらい「紹介状を書いてください」 (2020-09-08)
まだしばらくは暑い日が続きそうですが、
暦の上ではもうすぐ秋分。
二十四節気でいうと今時分は「白露」から「秋分」へ。
二十四節気を、さらに細かく分けた七十二候(しちじゅうにこう)、
という暦があるのをご存知でしょうか。
七十二候でいうと9月7日頃は「草露白(くさのつゆしろし)」。
昼間は暑さがまだまだ残っていても、
早朝に窓を開けたときなどには、あ、少し涼しいな、とふと感じられるころです。
さて、今回のテーマは「言いづらい?『紹介状を書いてください』という言葉」、です。
そんなご経験はおありでしょうか。
「紹介状」というと、患者の立場からすると、
なんとなく、「ほかの医者に診てほしい」、
暗に「あなたの診療じゃ信じきれない」って言っているみたいで、
なんだか患者側からは言い出しづらいイメージがつきまといますよね。
紹介状というのは、専門用語としては「診療情報提供書」。
紹介状の中身は、その患者の個人情報(氏名、生年月日、住所など)をはじめ、
主な症状や疑われる病名とその治療経過、投薬内容などが書かれています。
がんの場合であれば画像検査結果のDVDなども含まれます。
一般的に、紹介状を書いてもらうメリットは、病状や治療経過が伝わること。
発行手数料はかかりますが、紹介状を持たずに別の病院へ行くと、
2016年からは選定療養費を支払うことが義務付けられていますので、
紹介状なしで受診するよりも全体の費用は抑えられる上、
同じ検査を重複して受けることになったり、診に時間がかかったりといったムダも防げます。
『飛び出せ! 青春』というドラマの主演や、『食いしん坊!万才』という
料理番組のレポーターで有名な、村野武則さんという俳優さんをご存知でしょうか。
村野さんは、5年前のある日、首筋の突起物に手が触れて、
「あれ? 変だな」、と思ったのをきっかけに、
かかりつけ医に大病院での精密検査を勧められ、
紹介状を受け取り、大病院へ行って精密検査をしたといいます。
そこで首の突起物は悪性の腫瘍だと言われたものの、
治療の設備がないためほかの大病院を紹介されて、
そこでとうとう、中咽頭がんのステージⅣaだと告げられた……。
何度も紹介状を手に次の病院……と渡り歩いた村野さん。
がん宣告のあと、今後の説明や副作用についての説明、
そして入院の手続きへ……とレールに乗せられるように進んでいったとき、
奥さんが必死になって探してくれた「陽子線の治療をしてくれる病院に行きたいから
紹介状を書いてほしい」というのをためらったといいます。
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もちろん、その時のお医者さんは快く紹介状を書いてくれたとのことですが、
村野さんは当時のことを振り返って、
「担当医に悪いからと思って、ほかの病院への紹介状を
書いてもらうのをためらうことはない」とおっしゃっています。
もちろん、紹介状を書いてもらって行った先で、
同じ診断をされることもありますが、だとしても病気や治療への理解が深まり、
より自分の納得につながることも少なくありません。
ほかの誰の命でもない自分の命ですから、
自分の納得のいく治療を受けたい。選びたい。
それが、自分の納得のいく「生き方」になるのだと思います。
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* 編集後記 *
「免疫力アップにはこれ!」という話題はよく聞きますよね。
発酵食品を食べなさいとか、睡眠の質を上げるとか、
適度な運動をするとか。
でもそういわれてもなかなか効果的に実行に移せない……と
思いますよね。
そこで、免疫力が「下がる」のはあなたのこんな生活習慣!
という反対側からのアプローチはいかがでしょう。
さあ、いきますよ。
「都市に住んでいて」、
「運動不足気味で」、
「野菜をあまり食べず」、
「わりと早食い」。
どうでしょうか。この4つ当てはまりますか?
さらに、
「パソコンに向かってずっと仕事をしており」、
「抗菌グッズをよく使い」、
「平熱は36.5度以下」。
さてどうでしょう。
全部に当てはまる人も少なくないのでは?
これら7つがそろったあなたは、たとえ今は何かの病気でなくとも、
自律神経は乱れ、免疫力はダダ下がり、になってしまっている状態。
だけど、ちょっと気をつければ誰でもかんたんに、
自分で改善できる7つです。
ストレスの多い都市で生活しているのが変えられないのなら、
たまには緑の多い公園を散歩し、
野菜多めのメニューを選んでよく噛んでゆっくり食事をし、
エスカレーターではなく階段を使い、
休憩タイムにはスマホ凝視ではなく、
背中や体側を伸ばしてストレッチ……。
そんな「悪習慣置き換え法」で免疫力アップ。
ぜひぜひ、心がけてみてください。